自分は自分自身の努力で助けろ!「自助論」
人生最高の目的は、人格を強く鍛え上げ、可能な限り心身を発展向上させていくことである。これこそ唯一の目標であり、それ以外のものはこのための手段に過ぎない、最高の快楽や富、権力、地位、名誉や名声を得たとしても、それは人生における最大の成功ではない。むしろ、最高の人間性を獲得し、他人の役に立つ仕事に打ち込み、人間としての義務を果たしていくことこそ、いちばん立派な生き方なのだ。(本文194p)
意識高い!!
恥ずかしながら、最近まで「自助論」について知りませんでした。読むと自己啓発本極まれりといった感じで、この一冊読んでおけば他の自己啓発本は読まなくてもいいのではないかと思うほどでした。
本書では、自分で自分を助けようとする精神をもって骨身を惜しまず学び働くことが、夢を叶えるために最も必要だと説いています。
宇宙に向かって「年収が3000万になりました!」と引き寄せを行っている自分が恥ずかしくなってきます。
社会的な問題を「自己責任」と捉える今の時代に合っているといえばそうなのですが、自分なりに考えてみました。
書かれてから150年の本書は今の時代にそぐわないのではないかと。
- コンピューター、インターネットの発達
- 人口減、経済の低迷
- 人間の情報処理能力の限界
- 情報弱者の誕生
【コンピューター、インターネットの発達】
現代では、コンピューターが発達し、単純作業はすべて機械が行ってくれる世界がすぐそこまで来ています。また、インターネットの発達で世の中は凄まじい勢いで変化しています。一つのことに打ち込むことは良いことですが、堀江貴文が寿司屋の修行のことを酷評した一件がありましたが、一つのことを何年も修行することの意味は薄れています。
【人口減、経済の低迷】
後輩の男の子に「このままの給料でこれからやっていけるのでしょうか」と相談を受けて答えに窮したことがありました。皆真面目に努力しています。必死になって働いています。しかし、給料は上がりません。未来に希望が持てません。超高齢化社会、経済の低迷、これから来るであろう天災。個人の努力だけでなんとかなる社会では無くなっているのではという実感があります。「絶えまぬ努力のおかげであなたの人間性が上がっているよ」といったところで、おなかはいっぱいになりません。
【人間の情報処理能力の限界】
江戸時代に比べると現代の人間は何千倍だか何万倍の情報を処理しているということです。大量の情報の中で、やりたいことを自由に選べるということは良いことですが、人間の処理能力の限界を超えているのではないでしょうか。
また、150年前と違って情報が多すぎることで「自分はなにものであるか」と規定することが難しくなっていると感じています。
【情報弱者の誕生】
本書では貧乏からのし上がった人たちの事例が多く書かれていますが、現代では、お金だけの問題ではなく、お金が無いことで情報を取れなくなってしまう「情報弱者」を生み出します。インターネットなどに繋がれない人は情報を取ることが難しくなり、努力だけでは成功できにくい世の中になっています。
確かに最終的に人間の魅力は「人格」だと思っていますので、読んでおくべき本ではあると思います。
読んだ後に万能感が湧いてきます。
どんな仕事でも、有能な人間になるには次の3つが欠かせない。それは天性と勉強、行動力だ」という格言があるが、ビジネスの世界では、頭を使い、情熱をもって実践していくことが成功の秘訣だ。どんなにありきたりでつまらないと思われることでも、決められた仕事をきちんとこなしていけば、残りの人生はその分だけいっそう素晴らしいものになる。
…ホントかな。
努力している人が救われる世の中になることを切に願います。